金沢の美食「もみじこ粕漬」
ごはんのお供に、お酒のお供に

美食のまち・金沢の老舗酒蔵で作られる華やかでまるみのある純米酒を使った「純米仕込み酒粕」を使って紅葉子(もみじこ)漬け込みました。厳選された紅葉子のプチプチとした食感に、職人技の味わいをお楽しみください。

お土産にも!
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■ 紅葉子(もみじこ)ってなに?

もみじこは、金沢の方言で「たらこ」のことです。漢字では「紅葉子」と書きます。スーパーでも値札に「もみじこ」と書かれています。

私はこれが金沢の方言であることを知ったのは、高校を卒業して大阪の大学に入ってからでした。自炊生活で仲間との雑談の中で不覚にも(当時は地方の方言は田舎者と思われるため、無理して不器用な大阪弁を日常使っていました。「あかへんワ~」なんてネ)
「ご飯の上に焼き立ての紅葉子(もみじこ)をのせて食べたい!」と漏らした時、周りの不思議そうな顔!顔!

「紅葉子?なんやね、それ?」「紅葉の葉っぱの天ぷらの事かいな?(大阪・箕面市の名物なんです)」

「たらこ」は日本全国の共通語ですが、一般的に北陸において、石川県ではもちろんのこと、特に金沢では、「すけそうだらの子」を「もみじこ」と呼ぶのです。つまり「もみじこ」=「たらこ」の事なんです。

金沢の人なら、もみじこは紅葉のように赤いから「もみじこ」(着色してあって赤い色という事です。)というのをだれでも知っていますが、「もみじこ」が金沢弁で他ではまったく通じないことを県外に出て初めて知る「秘密の金沢」です。

石川県では「マダラの子(真子)」も「スケトウダラの子(真子)」もどちらの鱈もよく食べるため、両方を区別するために、またスケソウダラの子は紅葉のような小さい手の大きさであることから区別するために、あえて「もみじこ」と呼んで石川県に普及したといわれています。

「辛子明太子」として有名な博多でも調味料の明太子タレを入れずに塩漬けしたものだけは「明太子」と呼ぶそうですから同じ感覚なんでしょうね。

■ 美味しさの秘密 ①:もみじこをカスに漬ける

日本酒の製造工程で生まれるのが酒粕です。酒造りの最終工程で発酵した醪(もろみ)を搾ることで、日本酒と酒粕に分かれ、そこで初めて酒粕ができます。酒粕は発酵食品のひとつで、栄養豊富で香り豊か昔から料理に風味をつけたり、食感を増すために使われてきました。

私たちが使うのは、金沢の老舗の酒蔵・福光屋さんの純米酒を製造する際に搾り出される酒粕を選んで漬け込んでいます。いろいろな酒蔵の酒粕を試してみましたが、この酒蔵の酒粕が一番「もみじこ」との味がマッチする出会いの組み合わせでした。
そこでは酒粕のうま味を豊富にするためにいくつかの工夫がこらされています。
・原料米が低精白(あまり削らず(100~70%)程まで)
・造り方は「純米酒」から酒粕を抽出する
お米と米麹だけで造られるため、お米本来の味わいや旨味が感じられるのです。

この酒粕に漬け込んだ紅葉子は塩気の角が取れ、凝縮した旨味とほんのりとした甘味をたたえ、ふくよかな味わいが楽しめます。

最近では「酒粕」に含まれる多くの繊維質や豊富な栄養、機能性が着目され健康食品としての需要が増えています。また、肌につけてパックにしたり、布に包んでお風呂で溶かして酒粕風呂に用いるなど、さまざまに利用されています。

■ 美味しさの秘密 ②:恵みの百年水

石川と岐阜の県境にまたがる霊峰・白山の麓に降り注いだ雨が地中深く浸み込み、貝殻層を通り抜ける間に酒造りに最適なミネラルをたくわえ、福光屋の地下150メートルまで辿り着きます。その間、実に100年のときをかけて蔵まで辿り着く天然水です。

金沢大学理学部の研究によると、白山の麓に降り注いだ雨雪がゆっくりと時を刻みながら貝殻層を通り抜ける間に、酒造りに最適なカルシウムやマグネシウムなどのミネラルをたくわえて地下150メートルまで浸透。金沢のこの酒蔵の地に再び湧き上がるといいます。
お酒の80%は水。水質が、お酒の味に深く関わることはいうまでもありません。すなわせ酒粕の出来も左右するのです。

酒粕に含まれるタンパク質「レジスタントプロテイン」は、悪玉コレステロール値を下げ、肥満を抑制する作用があることが確認されています。さらに、ビタミンB群やアミノ酸など栄養やうまみの宝庫でもあったのです。

(以上、NHK・ためしてガッテンの2010年11月24日放送「日本伝統あの発酵食で驚きコレステ減効果!」より、日本酒造組合中央会が監修した冊子から)

■ たらこの美味しい食べ方:生?焼く?

たらこはアレンジのしやすい食材で、たらこ本来の旨味は焼いても失われることがありません。鮮度さえ良ければ火の通し方次第でいろいろな食感を楽しめることができます。
しかも他の素材と合わせやすく、たらこが加わるだけで料理が引き立ちます。和洋の区別はなく、生のたらこでも和食では新鮮なイカを糸づくりにして和えたタラコ和え、おにぎりの具として、洋風ならマヨネーズと合わせてドレッシングに、焼物のソースに、中華では炒め物のソースにチャーハンに日伊友好のタラコスパゲッティと万能の食材です。

その歴史は古く、少なくとも江戸時代前期にはすでに食されていて遠藤元閑の『茶湯献立指南』(1696年)、に「鱈の子は北国より出る名物也」とあります。

たらこには卵が育っていくための栄養がぎゅっと詰まっており、滋養効果の高い食品である。良質のタンパク質が含まれ、ビタミンB群やビタミンE、ミネラルなども豊富に含む(文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より)

■ 生で食す

本品の紅葉子粕漬はもちろん生食可能ですが、ご自身でタラコをご購入する際は、必ず「生食用」と記載されているものを選びましょう。
なお、冷凍した状態で流通しているたらこは、冷蔵庫に入れて解凍すれば、生食が可能です。
但し、気を付けていただきたいのは、常温で解凍すると旨味成分が流出してしまいます。さらに、常温解凍されたたらこは傷みやすく、生食に向かなくなってしまうおそれもあるため注意してください。

■ 焼いて食す

グリルで焼く場合は、アルミホイルの上に生のたらこを置きます。
中火で5~6分ほどかけて両面を焼けば完成です。
ただし、火が強すぎると中まで焼ける前に表面が焦げてしまうおそれがあります。
焦げ目がつき過ぎないよう火加減を調節しながら焼きましょう。

電子レンジを使う場合は、最初にたらこの薄皮に数カ所の穴を空け、適量の酒を振りかけたうえでラップに包みます。
このとき、たらこがはみ出さないように注意しなければいけません。ラップでしっかりと包んだたらこを電子レンジに入れて1~2分程度加熱します。

■ より美味しく食す

ご飯と一緒に食べたり、酒の肴として味わったりする場合は、ほぐしたたらこに料理酒を加えて味を調整すると、おいしく食べられます。

生食できるたらこをあえて加熱するのであれば、中まで完全に火を通さず、表面だけ軽くあぶるのも一つの方法です。中は生のままなので、二重の美味しさが楽しめます。

また、たらこはパスタやサラダなどの料理にも加えやすい食材です。
マヨネーズと和えてパンに塗ったり、ドレッシングのように生野菜にかけたりしてもおいしく食べられます。

さてやっとここで「もっともっと美味しく食べるには」と、粕漬にした紅葉子の登場です。
粕漬にすることで紅葉子はまろやかに、深みのある味わいとなります。
まずは、生でそのままを食べることから始めたほうが味わいが感じられます。そして焼へと移っていきましょう。お好みでオーブントースターで軽くあぶっても美味しく召し上がれます。お好みにより、レア、ミデアム、ウェルダンとお選びください。ちなみに私はミデアムレアが好みです。

ご飯のおかずに、お酒のお供に便利にお使いいただけます。

■ 長期保存には

冷凍保存する場合も冷蔵も、1腹(はら)ずつラップに包むと良いでしょう。
なるべく空気に触れないよう、ラップをしっかりと密着させます。
このとき、たらことラップの間に隙間があると、霜がついて傷んでしまうおそれがあるため注意しましょう。
ラップで包んだたらこは、ジッパーつきの保存袋に入れます。
冷凍保存した場合の保存期間は1~2カ月程度が目安です。

なるべく新鮮なうちに冷凍することで、風味が良い状態を長く保つことができます。
解凍する際は冷蔵庫で自然解凍しましょう。食べる前日から冷蔵庫に入れ、ゆっくりと解凍することで、旨味を流出させずにおいしく食べることができます。

なお、一度解凍したたらこを再び冷凍すると味が落ちてしまうので、品質を保つためにも、確実に食べ切れる分だけ解凍したほうが無難です。

■ 金沢と北海道を結ぶ縁

実は日本には、もう一か所スケソウダラの子のタラコを「もみじこ」と呼ぶ地域があります。それは北海道の岩内町、旧名は前田村です。そうです。石川県の前田藩の士族が明治維新後に開拓を行い、村を作った地域なのです。その後、前田村では1903(明治36)年にスケソウダラ漁が本格化し、たらこの料理も始まったとされます。この時にもみじこの名称が生まれ、北海道と京都・大阪を結ぶ北前船の寄港地の金沢へと逆輸入して石川県内に伝わったものと考えられます。

1927(昭和2)年当時の、岩内の紅葉漬け(紅葉子)を商う鹿部誠一は大正期(1912年以後)、蒲鉾、塩数の子、すけそ味醂干し、助宗子紅葉漬等を岩内の名物たらしめた。1918(大正7)年、帝都名産食料品博覧会をはじめ、数回の博覧会で金、銀、銅牌を受賞。
(引用:最近の岩宇(人物と事業)、大野紀陸 著、小樽新聞社、1927(昭和2)年)

■ もみじこ粕漬 500g入り

この金沢人・石川県民が愛してやまない「もみじこ」を金沢の酒蔵の純米酒粕で漬け込んだのが、ご飯のおかずにもお酒のお供にも美味しい「もみじこカス漬」なのです。

厳選された紅葉子を地元の酒蔵の純米酒粕に一週間漬け込んであります。ごはんのお供としてはこの漬け込み時間が最適ですが、お酒の友としては、もう少し漬け込んで酒粕の味を乗せた方が美味しいと思っています。お好みにより熟成を考えて調理してください。
そのままあるいは、お好きな焼き加減(レア・ミディアム・ウェルダン)で調理して、加賀料理の一つとして、ぜひお使い下さい。

この「もみじこ粕漬」は、香り高く味わい深い地元酒蔵の純米粕をたっぷりと使用しています。

不織布に包まれた当店の粕漬けは、2枚の不織布の間に純米粕をたっぷり延べて素材を包んでおります。ですから素材に粕が直接触れずに、香りや旨味だけが素材に移ります。

不織布に包まれた粕漬けは、洗って粕を落とす手間もなく、そのまま調理できます。どなたにも便利で、短時間で味むらがなく仕上がりますので、多くの方に好評を得ています。

お召し上がり後は、同じような筋子などを購入して、不織布に巻いて冷蔵庫に入れ、もう一度味わうお客様もいらっしゃいます。

私どもは飲食店へ食材を納める仕事です。

いうなれば食材のプロを自認しています。しかし私自身がそうだったように「紅葉子」という言葉や商品が私の生まれる以前からあり、スーパーに並んでいるため、それが金沢の方言であることさえ認識していませんでした。
そしてそれが当たり前の日常であるがために、紅葉子を粕漬にして美味しさを深める調理法が加賀料理の手法であることさえ知りませんでした。自分の浅学を恥じるばかりですが、私たちの役目の一つは「金沢を世界一の美食のまちにする」事です。
まずはこの「もみじこ粕漬」もそうですが金沢の美食を日本に広め、そのフィードバックを受けてその目的に真一文字に進んでいきたいと思います。

■ 酒粕の歴史

酒粕は、当然ながら日本酒と同じだけの歴史を持っています。古くは『播磨国風土記』(713年)に、日本酒の原型である米麹を用いた酒造りの記述が見られ、平安時代の『延喜式[えんぎしき]』(905~927年)には、宮中における酒造法が詳しく記されています。

副産物である酒粕も、その頃から野菜や魚を長期保存するため、粕漬けとして用いられていました。しかし、当時は濁り酒であったため、酒粕も搾った粕ではなく、酒の底に溜まる沈殿物であったと考えられています。さらに、庶民用の酒の原料にも使われ、冬季には身体を温める目的で飲まれていたという。“カス”とはいうものの、酵母のたんぱく質をはじめ、ビタミンBやミネラルなどが含まれる滋養食品。江戸時代には、「手握(てにぎ)り酒」「酒骨(さかぼね)」などの趣のある名で呼ばれ、広く庶民に親しまれてきたようです。

ひとくちに酒粕といっても種類があり、大きくは「板粕(いたかす)」と「踏み粕」に分けられる。発酵を終えたもろみを搾り機にかけ、液体(日本酒)と分離させて残った固形物が板粕で、粕汁や甘酒に使われる。また、板状なので焼いて食べることもできる。踏み粕は、この板粕をもう一度タンクに戻し、踏み込んで空気を追い出し、長期間貯蔵・熟成させたもの。黄金色に色づき、柔らかなため、こちらは主に粕漬けなどに用いられています。

酒造りに携わる杜氏(とうじ)や蔵人(くらびと)たちの手が白く、きめ細かなことはよく知られています。麹の中に含まれる成分に美白効果があるとされ、古くは米糠と同じように、酒粕を洗顔にも利用していたようです。また、湿布ややけどの治療など、多くの民間療法にも用いられていたといいます。

おうちでお手軽に!金沢の美食「もみじこ粕漬」をお楽しみください。